2回にわたって、ランニングに必要なトレーニング、そして、その組立て方について、まとめてきました。
今回は、身体づくりに関するトレーニングについて、感じていることを綴っていきたいと思います。
身体づくりと聞くといわゆる体幹トレーニングのこと?だとか筋トレ?というイメージが浮かぶと思います。
実際、箱根駅伝で優勝するようなチームが行っているとされるトレーニングなんかを行っている方もおられると思います。
もちろん、体幹が安定していた方がランニングフォームも安定するし、
下肢の筋力が強い方が推進力も得られやすいし、関節が安定するので、故障予防にもなると思います。
そのトレーニングが意味がないとか効果がないという極論を言うつもりはありません。
ただ…
その体幹トレーニングや筋トレの前提というか基盤というかその部分の考えが抜け落ちている方は多いかなと思います。
それは何か?
人間(人間だけじゃないけど)は、身体の至るところにセンサーを張り巡らせています。
視覚もそうだし、三半規管や皮膚、筋肉や関節の中にも存在します。
それらの感覚センサーから情報を得て、脳が処理、指令を出して、姿勢や動きをコントロールしているわけです。
ランニングでは、「背筋を伸ばして!」なんて言われたり、指導されることもあると思いますが、
姿勢というは、自動的に調整されるものであって、無理矢理胸を張るものでもないし、背中の筋肉を鍛えて一時的に見た目を良くするものでもないわけです。
長年の偏った生活習慣で上記のような身体センサーが低下していると身体が緊張して、筋力も発揮しにくい状態になっています。
また、そんな状態でも地球で生活する限りは重力に負けない姿勢を作ろうとするので、強張ったような姿勢(いわゆる猫背)に定着していってしまいます。
そのような状態の方が、いわゆる体幹トレーニングや筋トレを行うとどうでしょう?
確かに頑張った感じはあると思いますが、決して効率的とは言えないでしょう。
ブレーキがかかった状態でアクセルをふかしてしまうようなものですから、このようなトレーニングは、特に長期戦が要求されるランニングには不向きですね。
耐久性が低く、疲れやすいですし、
そのような力発揮が習慣化すると力感の少ないフォーム獲得にも影響してくることでしょう。
箱根駅伝に出るようなエリートランナーは、子供の頃から継続して様々なトレーニングを積んでいて、身体センサーの感度は比較的高い方だと思います。
そんなランナーと長年運動習慣がないとかデスクワークで座っている時間がほとんどという方のトレーニングが同じということはないですよね?
では、どんなことをしたらいいのか?
それはまた随時紹介していきたいと思いますが、
一部例を上げるとすれば、
身体(皮膚)をさすったり、片脚で立ったり、でんぐり返りしたり…
或いは、バランスボールやバランスディスク、ストレッチポールのようなツールを使うのも効果的です。
よくわかんなかったらラジオ体操やってもいいです。
いろんな方向に動かしたり、移動したり、反動つけたり、関節を大きく動かしたり…
習慣化していれば、身体感覚も良くなっていくと思いますよ。
私も毎回ではないですが、しっかり走る練習の前や疲労感(身体の張り感)が強い時などは、ウォーミングアップの前半に感覚に刺激を入れるようなエクササイズを多めに取り入れています。
上述しましたが、身体感覚が良くなると姿勢制御に余計な力を使わないので、ランニングの感覚も違ってきます。
大げさではなく「軽く走れる感じ」がするんですよ。
ズラズラと書いたのでわかりにくかったかもしれませんが、要約すると
①運動習慣がなかった方やデスクワーク中心の方などは、身体感覚センサーも低下している傾向にある
②身体センサーが低下していると筋力も発揮しにくいし、姿勢も崩れやすい
③②の状態で体幹トレーニングや筋トレ(静的ストレッチも)をしても効率的とは言えない
④身体をさすったり、多様な移動も伴う動き、片脚で立ったり(操作したり)、反動つけたりすると身体感覚に多様な刺激が入る。
⑤身体感覚も良くしながら、体幹トレーニングや筋トレを段階的に導入すれば効果的
⑥ランニング前に身体感覚に刺激を入れると軽く走れる
こんな感じです。
この考え方は、フォーム改善だけでなく、故障予防にもつながりますので、是非頭に入れておきましょう!