前回のブログでは、ランナーに必要とされるトレーニングについて、まとめました。
それらをいかに実践していくか?
今回は、トレーニングメニューの組み立て方のポイントをまとめていきたいと思います。
まずは基本となる考え方をおさえておきましょう。
ランニングに限らず、他の筋トレなどのトレーニングにおいても、安全且つ効果的に成果を上げるための原理・原則があります。
いくつかある原理・原則の中で、トレーニングメニューの組み立てにおいては、
①漸進性の原則
②過負荷の原理
③全面性の原則
これらは、おさえておいた方がいいでしょう。
要は、
「段階的にバランス良く少しずつレベルアップしていきましょう!」ということです。
ポイントは、
・1回1回の練習で、毎回質・量共に追いかけようとしない。
・目的を明確にする。
こと。
例えば、「5キロをキロ7分で走るとかなりキツイ」「ゆっくりでも10キロ走るとだいたい脚が痛くなる」という方。
この方にとっては、5キロをキロ7分をキープして走る練習は、その効果が期待できる一方で、ダメージが大きいとも言えます。
或いは、10キロ走ることは、この方にとって身体的、技術的に足りないところがあるわけです。
毎回こんな限界に近い練習を続けていると故障するリスクも高いし、メンタル的にもきついわけです。
では、どうするか?
・量をおさえて、質を上げる練習 3キロをキロ6分50秒でハァハァ走る →糖質(乳酸)代謝トレーニング
・質をおさえて、量を増やす練習 8キロをキロ7分50秒くらいで余裕を持って走る →脂質代謝トレーニング
これだけでも1回1回のダメージはさほど大きくないけど、目的に応じた身体機能の向上が期待できるわけです。
また、
・身体を作るトレーニング →身体の安定度を高める
・技術を磨く練習 →効率の良い、負担の少ない走りを身につける
こんな練習(トレーニング)も取り入れていけば、全面性の原則を反映していると言え、
故障のリスクを抑えながら練習(トレーニング)を継続して積んでいけるし、
ランニングエコノミー(効率良く走れる)の向上も期待できるので、楽にスピードが出るようになってきます。
これらを考慮して、1週間のメニューを組み立てるとすれば、
月;休み
火;3キロをキロ6分50(質重視)
水;8キロをキロ7分50秒(量重視)
木;筋トレ(身体づくり)
金;6キロをキロ7分50秒から始めて、ラスト1キロをキロ6分40まで上げる(質・量 適度にバランス良く ビルドアップ走)
土;ランニングドリル、ジャンプ系トレーニング、150m流し6本(技術重視)
日;5キロペース走(キツイペースを維持する) ※頑張る日 ポイント練習とも言います。
あくまでも例ですが、上記のように目的を明確にして休養も入れながら、身体の負担を分散させながら継続的レベルアップしていけば、
いずれ「10キロをキロ7分で走っても脚が痛くない」。
こんな日も遠くないと思います。
上記は、比較的初心者用のメニューですが、
例えば、フルマラソンの自己ベストを目指していてスタミナが足りない方は、
スタミナ系トレーニングの比重を増やす。
ロングトレイル完走を目指していて、心肺機能が弱いなと感じている方は、
強度の高いトレーニングを週2回は行ってみる。
そんな構成をしばらく続けてみてもいいわけです。
目標や抱えている課題、練習できる時間も個々によって違うわけで、メニューの組み立ては無限と言ってもいいですが、
安全性を確保して効果を長期にわたって得続けるためには、
・目先ばかりみて、急に頑張り過ぎない。(精神的にも燃え尽きて、長く続かない)
・同じような練習ばかりで、負担箇所が偏らない。
・何のためにやるのか?目的を明確にする(頑張ることが目的化しない)。
これらの視点は忘れない方がいいかなと思います。
まあ、いろいろ考えて組み立ててみるのも面白いものですから、それも楽しめるようになるといいですね。
次回(多分?)は、身体づくりのトレーニングに関してまとめてみたいと思います。